生きた細胞を観察できるホロトモグラフィ技術と人工知能の融合 AI顕微鏡開発企業、トモキューブ

大田大徳特区に位置するトモキューブは、生きた細胞を観察できるホロトモグラフィ(Holotomography、HT)技術とバイオ人工知能映像分析分野で独歩的な技術力を確保し、AI顕微鏡を開発している企業です。従来の顕微鏡技術は、細胞を観察するために化学染色など前処理過程によって細胞が死んだり変形したりして細胞をそのまま観察することが難しく、観察するまで少なくとも数時間、長い場合は1日までかかる限界があります。一方、トモキューブのホロトモグラフィ(HT)技術は、レーザー光線を用いて細胞の密度に応じて細胞を3Dで実現し、生きた細胞をそのまま観察することができます。この技術を活用したがん細胞の区分と原因菌の判別を通じた疾病診断や新薬開発など、様々な医療分野に活用できる可能性があり世界市場が注目しています。

Q1. 2021年の弊社のニュースレターでトモキューブを紹介しましたが、その後、技術力と市場性が認められるなど、多くの成長があったと聞きました。

トモキューブのニュースにご興味をお持ちいただきありがとうございます。2022年にはトモキューブが非常に重要なマイルストーンを達成した年ですが、それは第2世代ホロトモグラフィ顕微鏡であるHT-X1を発売したことです。最近になって市場の関心研究分野が急速に切り替わり、オルガノイド、組織切片など3次元細胞試料を染色なしに生きた状態で観察できる製品を開発してほしいという要請が多かったです。挑戦的な研究開発の末、既存製品の限界をすべて克服した新概念のHT技術の商用化に成功しました。

新製品のHT-X1は、公開されるやいなや世界的に非常に関心が高かったです。すべての役職員が忙しい時間を過ごして力を注いだおかげで、2022年度科学技術情報通信部長官表彰、2022大韓民国革新創業賞受賞、2023年度グローバル強小企業1,000+企業指定などの快挙を成し遂げました。また、HT-X1製品の販売実績を基に2023年に初の100万ドル輸出の塔を受賞し、売上高37億4000万ウォンを記録しました。このように確保した成長モメンタムを基にコスダック上場に挑戦することを決心し、2023年下半期に技術性評価を申請して「ナイス評価情報」と「韓国産業技術企画評価院」からそれぞれ「A、A」等級を獲得し、世界最高水準の技術力と市場性が認められました。

Q2. マサチューセッツ工科大学(MIT)、ハーバード大学など海外の有名大学とドイツがんセンターなど20ヶ国余り50校余りの大学と研究所でトモキューブのホロトモグラフィ(HT)技術が活用されていると聞きました。その他にも、他の協業を通じてトモキューブのHT技術を活用している企業や研究所、医療機関はありますか?

トモキューブは2023年4月、オルガノイド開発企業のオルガノイドサイエンスと共同研究開発のための了解覚書(MOU)を締結し、両社の既存技術を融合して細胞の構造と機能をより精密に分析し、新しい細胞治療剤の開発を推進しています。オルガノイドは、幹細胞を腸や肝臓、胃などの臓器のように立体構造で培養したもので、臓器の模写体またはミニ臓器と呼ばれますが、オルガノイドサイエンスは成体幹細胞を使用したオルガノイドで、細胞治療剤および薬物スクリーニング技術を保有しています。これに染色過程なしで細胞内部の3次元映像をイメージングできるトモキューブの技術を適用し、より精密なオルガノイド分析およびカスタマイズ治療剤の開発を通じて、製薬・医療分野でより革新的な製品を作り出す研究を進めています。

トモキューブは、HT製品を購入した機関顧客を対象に技術支援と研究協力を行い、現場で獲得したHT映像データを分析したり、その他実験の設計アイデアを一緒に議論するなどの協業を有機的に行っています。第2世代HTの初期顧客は、米国のMIT、スイスのチューリッヒ連邦工科大学(ETH Zurich)、ノルウェーのオスロ大学など海外の機関が多いですが、韓国でも韓国基礎科学支援研究院(KBSI)をはじめ、浦項工科大学校(POSTECH)、光州科学技術院(GIST)など有数の機関との協業を行っています。また、忠南大学校病院と研究中心病院事業を行うなど、大田地域での研究協力も活発に推進しています。

Q3. トモキューブは去る4月、世界中の製薬バイオ企業および業界の専門家たちが集まって研究成果を共有するがん学会の一つである米国がん研究学会(AACR 2024, American Association for Cancer Research)に参加し、第2世代ホロトモグラフィープラットフォームHT-X1を活用した様々な研究結果を紹介したと聞きました。学会の反応はどうでしたか?

第2世代HT製品が研究現場で活用され、免疫抗がん剤反応の予測、組織の仮想染色、映像基盤バイオマーカーの開発、単一細胞分析との連携など、最先端の前臨床研究を本格的に開始できるようになり、そのおかげでAACRという大きな舞台にも参加できるようになりました。特に、がん患者の臨床データの研究に人工知能(AI)とディープラーニング(Deep Learning)を融合させようとする研究者が多かったですが、HT技術は定量性と安定性が高く、AI研究に特に有利なので、トモキューブの技術と研究成果がより大きな注目を集めたようです。

何より今回の学会を控えて、米国Mayo Clinicのファン・テヒョン教授をはじめペンシルバニア大学のMingyao Li教授、MDアンダーソンがんセンターのLinghua Wang教授がCancer Discoveryという学会誌に「がん研究の3次元革命(The 3D Revolution in Cancer Discovery)」というタイトルの特集記事を寄稿して弊社のHT技術を紹介してくださり、この記事を通じて弊社のHT技術に接した多くの研究者たちがトモキューブの展示ブースを訪ね、製品の購入と事業的研究協力について問い合わせてくださり、弊社としてはとても有益な時間を過ごしました。
(出所:Linghua Wang, Mingyao Li, Tae Hyun Hwang; The 3D Revolution in Cancer Discovery. Cancer Discov 1 April 2024; 14 (4): 625–629. https://doi.org/10.1158/2159-8290.CD-23-1499)

Q4. トモキューブの独歩的な技術力を基に、より大きな成長と技術開発のためにコスダック上場を準備していると聞きました。トモキューブのホロトモグラフィ(HT)技術の成長性とトモキューブの今後の計画が気になります。

12月の技術性評価でそれぞれA、A等級を獲得し、これを基に今年4月に韓国取引所に上場予備審査申請書を提出した状態です。トモキューブの第2世代HT技術は、既存の顧客にも非常に人気がありますが、特にオルガノイド、細胞治療剤など急成長する再生医学市場での効用性が浮上しており、市場占有率を急速に高めながら先導企業の地位を強固にするものと予想されます。このような成長要因をさらに加速させるため、グローバル営業網を拡大すると同時に、生産施設を拡充し、優秀な人材を誘致して、既存の従業員の成長を支援するためにコスダック上場を計画することになりました。

トモキューブは、「私たちが世の中を眺める方法を革新する」というビジョンの下、急変する産業的要求に迅速に対応し、顧客に最上のソリューションを提供するための技術的能力を持続的に養っていこうと思います。これを通じて事業的成果を持続的に向上させ、国の経済に貢献すると同時に社会的責任を果たし、科学研究と人類の健やかな未来に寄与することを目標とします。何よりもグローバル市場におけるリーダーシップを強化し、世界各国の研究者とより活発にコミュニケーションを図り、これを通じてバイオ産業全般にわたって新しい価値を創出しようとしています。

出処 : トモキューブ

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