韓方医学のデジタル転換をリードする 「韓国韓方医学研究院」

AI韓方医が主治医になり、個人の健康を守ってくれる日が目前まで来ています。AI韓方医は乳幼児期から老年期まで個人のライフサイクルに於ける健康を管理し、ビッグデータを基盤に個人の遺伝情報や体質、身体的特性によって疾病の可能性を予測し、適切な治療法と献立を提供します。AI漢方医は日々の健康管理を日常化させることや、疾病リスクを事前に予測し、予防することに大きく貢献します。「韓国漢方医学研究院」は、韓方医学理論、技術、医療行為の研究開発を基盤とする研究センターであり、韓方医学研究院の役割を一身に担っています。ならびに、韓国漢方医学研究院は第4次産業革命時代にオーダーメイド型医学のための韓方医学のデジタル転換を推進しています。臨床、診断、韓方薬材など多様な韓方医学分野でビッグデータを収集し、人工知能システムを導入することにより、科学的で客観的なデータを韓方診断と治療に活用できる基盤を整えています。

AI韓方医の開発

「韓国韓方医学研究院」は2019年より「AI韓方医開発のための臨床ビッグデータ収集およびサービスプラットフォーム構築」事業を推進しています。AI韓方医はデータを基盤にデジタル化された結果と科学的根拠、標準化された医療診断サービスを提供するプラットフォームです。AI韓方医を開発するためには、まずアルゴリズムが学習する標準化されたデータが必要とします。このため、研究院では診断プロトコルを開発し、健康な3000人余りの韓・洋方の健康診断データと年間200人余りの患者を対象に機器診断データを収集しています。古典文献から最新研究成果まで発掘する「医療支援システム」も構築し、韓方医が記憶しにくい膨大なデータを基に、最適な診断と治療方法を提供してくれるAI秘書システムを開発しています。2024年までに1万人の韓医生体指標に対する正常なデータを構築する予定です。これを通じて単に「脈拍が弱い」といった主観的で抽象的な診断ではなく、例えば「一般的な韓国の50代女性の脈の打つ強さと比較して上位数パーセントに入る」という客観的な指標を提示して説明できる環境を提供することができます。

デジタル診断装置による韓方医学診断の客観化

韓国漢方医学研究院が開発したデジタル診断機器は、韓方医学診断の客観性を高めました。漢方医学の伝統的な診断法は、患者の体を視覚、音、触覚、嗅覚を通じて直接観察し、病気の異常や原因を把握することで治療の方向が定められます。研究院で開発したデジタル診断装置は、映像、音声、波動などの分類を通じて患者の臨床データを収集・分析し、客観的かつ科学的な根拠で患者を診断します。一般的な診断装置には、脈診器、舌診器、四象体質分析ツールがあります。脈診は手首で感じる脈拍(脈拍の状態)を通じて患者の健康状態が異常であるかどうかを判断する韓方医学の代表的な診断法です。脈診器は心臓から手首にどのように脈拍が伝わるかを正確に測定するために、脈拍の大きさ、幅、長さ、強度などを韓方医の指先の感覚をシミュレーションする脈拍センサーと結合し、患者の状態を客観的かつ正確に診断することができます。最近ではウェアラブル機器と結合したデジタルパルス技術が開発され、日常生活の環境変化によって脈拍の変化を持続的に観察し、個人別診断に活用するためにウェアラブル機器と融合したデジタル脈診技術が開発されています。舌診は舌自体の形や色や舌の表面に苔のように挟まる舌苔の色や分布、厚さ、しっとりとした程度などによって体の気や病気の軽重、臟腑の虚実などを診察することをいいます。デジタル舌診器は、3D映像処理・分析技術を適用して舌の情報を定量的に測定したデータを分析し、患者の状態を診断します。これにより、患者の状態を一貫して確実に診断できます。最後に、四象体質分析ツールは、顔画像、声、体型、説聞の総合的な体質要素に対し、3,000個以上の四象体質に関するデータ分析結果と、多様な専門家の意見を反映して開発された四象体質分析機器です。韓方医学では、体質によって処方や治療法が異なります。標準化された基準を通じて人間の体質を客観的に太陰人、太陽人、少陰人、少陽人の四象体質に分類することができ、正確な体質診断が可能です。

韓方薬材の識別にも人工知能技術を導入

韓方薬は韓方学における代表的な治療法です。現在、韓方薬材の流通市場は通常、専門家の目視確認に依存しており、 様々な植物の根、葉、果実などから作られた韓方の薬材を正確に区別することが求められています。しかし、卓越な専門人材が大幅に減少した結果、薬禍事故に対する懸念が高まっています。この深刻な問題を解決するために、韓国漢方医学研究院が提供している人工知能技術であるディープラーニング技術を活用して韓方薬材を識別できる技術を開発しました。ディープラーニングを活用した識別技術の精度は、専門家が視覚的に判断した時の平均識別精度である94.8%より高い99.4%でした。この技術を活用すれば、非専門家の韓方薬材の誤用による事故が大幅に減るものと予想され、今後韓方薬材識別アプリの開発を通じて利便性を強化する計画です。

A. 形が似ている韓方薬の防己(SA)、木通(AC)、関木通(AMC)。関木通は毒性があり使用が禁止されたが、未だに韓方薬材市場で発見される。
B. ディープラーニングを利用した韓方薬材識別過程の模式図

出典 :

韓方医学をベースにした健康管理のためのモバイルアプリ、未病宝鑑

「韓国韓方医学研究院」が研究参加者の臨床データを収集・標準化し、韓方医学健康管理サービスアプリ「未病宝鑑」を開発しました。未病は、現在の基準による病気ではなく、重かったり疲れたりする不快感の状態を意味します。成人の約47%が病気ではないにもかかわらず、様々な健康異常を訴えており、約70.7%が疲労感や消化不良、うつ病、睡眠障害などの様々な症状を訴えるほど、現代人によくあらわれる症状です。 未病はまだ病気ではないため、特別な処方や治療よりは日常生活での持続的なケアが必要です。「未病宝鑑」は研究所で構築した未病臨床DBと評価アルゴリズムを活用して開発したシステムで、利用者が携帯電話と機器を通じて健康情報を入力すれば、情報を分析・評価して結果を利用者に知らせてくれます。結果によって体質に合うオーダーメイド型生活管理方法、薬茶、運動療法といった健康管理方法の提案を受けることができます。今後、アプリの高度化を通じて病院診療を連携し、適用範囲が拡大するものと期待しています。

「未病宝鑑」メイン画面 「未病宝鑑」分析結果1 「未病宝鑑」分析結果2

「韓国韓方医学研究院」で推進している様々デジタル転換事業を通じて韓方医学の客観化と科学化が完全に実現されれば、現代科学との融合を通じて生活の中のオーダーメイド型予防医学の新しいパラダイムが始まります。「韓国韓方学研究院」ではデジタル韓方医学の先駆的技術の開発、韓方医学情報プラットフォームの構築、韓方医学に関する政策戦略の策定など多様な研究と事業を推進しており、今後は韓国社会に限らず世界により多くの影響力を及ぼすものであると期待されます。

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